乃木坂46屈指の“コミュ力”の持ち主・田村真佑に聞く、コミュニケーションの秘けつ | ニコニコニュース
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【写真】撮影中もニコニコ いつも笑顔がかわいい田村真佑
■ポエトリーラップ初挑戦に不安も「歌が苦手で…」
オールナイトニッポン55周年を記念した舞台『たぶんこれ銀河鉄道の夜』は、ヨーロッパ企画の上田誠が脚本・演出を手掛ける音楽劇。歌あり、笑いあり、涙ありのSFファンタジーコメディで、宮沢賢治の不朽の名作『銀河鉄道の夜』をモチーフに、地方の美容師として働くナオ(久保田紗友)やレナ(田村)を中心とした人々の群像劇をコミカルに描く。
笑顔で周囲をなごませる田村。インタビュー前に行なった強風が吹きすさぶ冬の屋外撮影では、寒さの厳しい環境下ではありながら、常にニコニコとした表情を浮かべていた。しかし、カメラを向けられると一変する。レンズに真剣なまなざしを向け、プロのアイドルとしてのギャップを見せてくれた。
――寒空の下での撮影、お疲れさまでした。田村さんが常にニコニコしていて、見ているこちらも心が温まりました。
田村:本当ですか!? でも確かに、普段からケラケラ笑っています(笑)。
――(笑)。それでは本題へ。舞台は『乃木坂46版ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2019』以来、約3年半ぶり。単独出演は初めてですが、意気込みは?
田村:演技経験が少ないので、最初にお話を頂いたときは「ちゃんとできるかな」と不安な気持ちが大きかったです。でも、キャストの皆さんや上田(誠)さんがたくさん笑ってくださる環境でお稽古できているので、今は不安もなくなりました。稽古中、演じるレナとしてではなく素で笑ってしまう瞬間がたくさんあって、私たちがケラッと笑ってしまう空気を、観劇される皆さんにも伝えられたらと思います。
――メンバーのいない演技の仕事も今回が初。そうした形での出演に憧れはありましたか?
田村:演技力に自信がないですし、経験が少ないので、憧れというより「自分がどれほどできるのか」と考えていた程度でした。だから、グループ外で演技のお仕事をしているのは不思議な感覚です。
――上田さんが脚本・演出を手掛けた舞台『夜は短し歩けよ乙女』への出演経験がある先輩メンバー、3期生・久保史緒里さんとは一緒にディズニーシーへ出掛けたことをラジオで報告するなど、仲良しメンバーとして有名。何かアドバイスは頂きましたか?
田村:今回の出演報告を、それこそディズニーシーでしたんですよ(笑)。アトラクションの待ち時間に「そういえば…」と切り出して伝えたら、史緒里ちゃんは「うらやましい。私が出たい!」と言ってくれました。史緒里ちゃんの反応から、上田さんが作り上げる舞台のカンパニー(舞台を作るキャストやスタッフの集団)は「きっといい空気感なんだろう」と感じられたし、いろいろな情報も教えてくれたので出演への不安が和らぎました。
――本番までに、演じるレナをどう落とし込んでいきたいですか?
田村:レナは旧友のナオと仲が良く、先輩美容師のナツキさん(藤谷理子)からもかわいがられている女の子なんですけど、正直「生き方が面倒臭そう…」と感じました。誰にでも愛されるのは、裏を返せば、みんなにいい顔をしているということじゃないですか(笑)。でも、稽古を重ねる中で、レナにはそうした部分を跳ね返す瞬間もあると思ったし、物語が進むにつれて成長していくので、私自身もキャストの皆さんとの距離を縮めながら、たくさんの人から愛されるキャラクターを作っていきたいです。
――舞台ではポエトリーラップも披露します。歌への自信は?
田村:ありません(苦笑)。アイドルが「何を言ってるんだ」と思うかもしれませんが、世の中には「歌が苦手」という子もいて。それがまさに私で…。ポエトリーラップは初体験ですし、今回の舞台では「歌でもなくラップでもなく」と指示されているので、リズムを厳密に取りすぎず、尺に合わせて歌うのが難しいです。歌が苦手なのに、気分が上がるとノリノリになっちゃうときもあるので…(笑)。本番では気分を抑えつつ、皆さんに伝わるよう歌いたいです。
――努力の成果がどれほど発揮されるのか、期待しています。
田村:グループのミート&グリート(個別トーク)でも「歌が苦手なんです」と言いすぎて、ファンの方から「まゆたん(田村の愛称)、大丈夫?」と心配されているんです(笑)。「頑張るね」と伝えているので、頑張ります!
■グループ加入後に「コミュ力」が開花 以前は「注目されると顔が真っ赤に」
――舞台のキャストは20代〜40代と幅広いです。稽古などで、共演者との距離は縮まりましたか?
田村:レナの旧友・ナオを演じる、主演の久保田紗友ちゃんと仲良くなれました。顔合わせや本読みの席が隣で、最初は敬語だったんですけど、歳が近く、お互いに親友の役柄なので「仲を深めないと」と思ったんです。初対面のときに、紗友ちゃんが「真佑ちゃんと呼んでいい?」と言ってくれて、私も「紗友ちゃんと呼ぶね」と返したのをきっかけに距離が縮まりました。今では気さくに会話できるようになって、さらに仲良くなれればと思っています。
――同世代のキャストがいるのは、心強いですね。さて、そんな場面で役立つと思われるのが田村さんの「コミュ力」。同期の筒井あやめさんもラジオで「4期の中で1番(コミュ力が)ある!」と絶賛していましたが、自覚は?
田村:あんまり…。いろいろなところで言ってるんですけど、根は人見知りなんですよ。グループ加入前は恥ずかしがり屋でしゃべるのが苦手だったし、人前で注目されると顔が真っ赤になるほどでした。でも、それを言うとみんな「嘘だろ?」と言うから「嘘と言うのはいいけど、本当なんだよ!」と自分では思っています(笑)。
――(笑)。人見知りでしゃべるのが苦手だった田村さんも、今ではそつなくMCをこなし、周囲と気軽に打ち解け合っている印象。加入後に何か変化があったのでしょうか?
田村:同期では最年長だったのが、大きいです。人前でのトークに慣れたのはそれが理由で、最年長としてMCを任せていただく機会が増えてからは、苦手意識がなくなりました。人見知りでなくなったのも理由は同じ。加入当時から髪の毛を染めていたし、年齢もみんなより上だったので、ほかの子からすれば最初は怖かったと思うんです。本当はずっとヘラヘラしているから、しゃべれば怖くないと分かってもらえるはずなんですけど、無言でスンッとしていたら怖いだろうから「自分から話しかけなきゃダメだ」と意識を変えて。
同期の子に話しかけるうちにメンバーとのコミュニケーションに慣れてきて、そこから先輩にも話しかけるようになったから「コミュ力が高い」と言われるようになったんだと思います。
――ここ1年ほどでは、5期生の新加入もありました。新メンバーを迎え入れるときも、コミュ力が役立ったのではないかと。
田村:いきなり肩を組んだり、つついてみたり。最初からフランクに、友達感覚で接していたから、5期生のみんなは戸惑ったと思います(笑)。そうした接し方は、先輩から学んだことでした。卒業生の樋口日奈さんが同じようなスキンシップを取ってくださる先輩で、積極的に話しかけてくださったのがうれしかったので、私も「あの先輩と一緒のお仕事なら楽しみ」と思ってもらえるような人になりたかったんです。今も常に明るく、ふざけた感じで絡んでいます。
――その甲斐あって、仲良くなれた5期生のメンバーは?
田村:菅原咲月です。ミーグリで私の部屋へ遊びに来てくれるし、「頑張るのでハグしてください」と言ってくるんですよ。お互いにスキンシップを取りながら、仲良くやっています。
■先輩との付き合い方で意識していること「ほどよい距離感で遠慮しない」
――後輩と気さくにふれあう一方、1期生の秋元真夏さん(2月26日に卒業)を「まなちゃん」、3期生の久保史緒里さんを「史緒里ちゃん」と呼ぶなど、先輩の懐に飛び込むのも上手です。何か、特別な意識は?
田村:「ほどよい距離感で遠慮しない」ことです。まなちゃんは最初「真夏さん」と呼んでいて、「まなちゃん」と呼びはじめた頃は、自分の口になじみがないから「大丈夫かな」と思ったんですけど、言い続けるうちに慣れました。向こうも「まなちゃんと呼んでくれるのがうれしい」と言ってくれましたし、そうした積み重ねで距離を縮めていったんです。3期生さんは1つ上だから1番近い先輩。年下のメンバーも多くて、最初は遠慮していたんですけど、「史緒里ちゃん」のようにあだ名で呼び、冗談を言い合ったり、イジったりイジられたりを繰り返すうちに仲良くなれました。
――グループ外では、3月に惜しまれつつもパーソナリティを卒業する『レコメン!』(文化放送/毎週月曜〜木曜22時)で、20歳差のオテンキのりさんと息の合った掛け合いを見せています。のりさんとは、どのように距離を縮めたのでしょう?
田村:コロナ禍でパーソナリティに就任したので、最初の1年ほどはなかなか会えずにいました。リモート収録では、オンエアに乗る場面以外は通話を切ってしまうので、ほとんど会話できなかったんです。だから、ちゃんとコミュニケーションを取れるようになったのは、スタジオ収録が再開してからでした。今では、空き時間にのりさんと、構成作家のガイさんも含めた3人で、仲良くしゃべっています。旅行に行ったときは、おみやげを「ぜひ食べてください」とスタジオに持って行くこともありますし、そうしていくうちに打ち解けていきました。
――インタビューを通して、田村さんの「コミュ力」の秘けつが垣間見えた気もします。その上で、最後にもう1問。他人に話しかけられないなど、コミュニケーションに悩みを抱える人たちは多いですが、そんな人たちにアドバイスを頂ければ。
田村:自分から話しかけられない人は、話しかけられたときに相手へ質問を投げかけてみる。例えば、「〜ですよね?」と聞かれたときに「はい」と一言だけ返すのではなく、「私はこうです。あなたは?」と会話のラリーができれば、距離が縮まると思います。「はい」とか「うん」で終わってしまうと、相手は「話しかけられたくないのかな」と考えるでしょうし、会話を続けようとする意識が伝われば、相手もうれしくなると思うので大事です!
(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:上野留加)
舞台『たぶんこれ銀河鉄道の夜』は東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて3月17日〜4月2日上演。愛知県・ウインクあいち 大ホールにて4月8日〜9日、高知県立県民文化ホール オレンジホールにて4月11日、大阪・サンケイホールブリーゼにて4月15日〜16日上演。
(出典 news.nicovideo.jp)
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